コンセプト

きっかけは幼少期に始めた「セロハンテープ遊び」

 「セロテープアート®」とはその名の通り「セロテープ®」でアート作品を制作する「行為」を総称し、私が作家として発表活動を始めた時から自分の作品や活動を社会に少しでも解り易く、また少しでも早く認知して頂けるようにと掲げて来たアーティスト 瀬畑 亮の代名詞であり、キャッチコピーです。

 

 私がセロハンテープで工作を始めたのは幼少期(6歳くらいの頃)からで、当時大好きだったNHKの「できるかな」という教育番組を見て、ノッポさんがセロハンテープを使って工作するのを真似るところから始まり、次第にセロハンテープだけを丸めて当時流行っていたアニメのキャラクターや好きな動物等の立体物を制作するようになったという事がきっかけでした。

左:セロハンテープ遊びを始めた6歳の頃

右:NHK教育番組「できるかな」のノッポさん&ゴン太くん(イメージ工作)

「セロハンテープアート」から「セロテープアート®」へ

 こうして幼少期に始まった「セロハンテープ遊び」への情熱は冷める事なく、以来ずっとこの遊びに没頭し続け、高校卒業後に本格的にアーティストになる事を目指して東京造形大学(美術専攻 彫刻)に進学するに至りました。そして大学4年生になった際に初めて銀座の画廊で展覧会(同期生との2人展)を開催すると共に、自らの芸術表現を「セロハンテープアート」と名付けて活動するようになりました。


 大学卒業後は社会人となり、造形・デザイン・イラストレーション等のクリエティブ系の職種をいろいろと経験しながらアーティスト活動を続けて行き、同時に自分なりの方法で「アーティストとして生きて行く道」を模索するべくセルフプロデュース活動を始めました。その結果2004年に国内テープメーカー大手のニチバン株式会社と専属作家契約を結ばせて頂く事に至り、2007年には同社が「セロテープアート®』の登録商標権を取得。以降同社公認の「世界で唯一のセロテープアート®作家」としてアーティスト活動を展開して行くようになりました。

左から

・1999年に東京(銀座)の画廊でアーティストとして展覧会デビュー

・2002年 Gallery Q「瀬畑 亮  セロハンテープアート展」会場風景(東京/銀座)

・2004年「第15回 国際 文具・紙製品展 ISOT 2004」東京ビッグサイト/ニチバン株式会社ブースに「チワワ&ダックス」を初出品

「セロテープ®発祥の地」で大きな飛躍の一歩を刻む

 「セロテープアート®作家」としてアーティスト活動を展開して行けるようになった事で、私のアート活動はより大きく飛躍して行く事となりました。その最初の大きな一歩となったのが、2008年に練馬区立美術館で開催した「セロテープ®誕生60周年記念 瀬畑 亮 セロテープアート®展」という、自身初となる公立美術館での個展デビューでした。

 

 同展が開催された経緯は非常に不思議な偶然が重なった事がきっかけで、実は現在の練馬区立美術館の建つ場所(東京都練馬区)が、正に昔ニチバン株式会社の「セロテープ®工場」であったという事がすべての始まりでした。更にその昔にセロテープ®工場があった土地の跡地に建てられた美術館の学芸員の方が、偶然にも2005年に銀座の画廊に立ち寄った際に、ニチバン株式会社と専属作家契約を結び、「セロテープアート®作家」を名乗る若手芸術家(当時の私)を発掘して下さるという「運命の出会い」に繋がったのです。そしてそれから数年後に迎える「セロテープ®誕生60周年」という記念すべき年に「特集展示」として展覧会企画を組む事で、私を公立美術館での個展デビューへと導いて下さったのです。このように2008年のセロテープアート®展は正に「運命のシナリオ」としか言いようのない不思議な出会いとご縁によって導かれた、私のアーティスト人生を大きく変え、新たな道を切り開いてくれた「最初のターニングポイント」となる意味深い展覧会でした。

 

 本展の会期中には大変多くのメディア各社が連日取材で取り上げて下さった事もあり、開催当初の予想を遥かに超える大成功を収めると共に、将来に繋がる大きな飛躍の一歩とさせて頂く事が出来ました。

2008年 練馬区立美術館「セロテープ®誕生60周年記念 瀬畑 亮  セロテープアート®展」会場風景

目指すは「セロテープアート®展」の全国展開! 

 練馬区立美術館でのセロテープアート®展の成功により、その後私の活動は全国の公立美術館や大型商業施設等での大規模な個展開催を始め、TV番組等への出演やワークショップや講演会活動等、さまざまな方面に広がりを見せて行きました。また美術館等の大きな会場での展覧会機会が増える事により、自ずとワークショップ開催の機会も増えて行き、私が幼少期(6歳の頃)に最初に夢中になった「セロハンテープ工作」の手法(※芯材に新聞紙を使用する手法)により、「身近な素材でアートを楽しむ事」や「親子(家族)で一緒に作品制作をする事」を基本コンセプトにしたワークショップ活動も積極的に行うようになって行きました。

 

 アーティスト活動を始めた当初は、生涯に一度でも美術館で個展が出来るようなアーティストになる事を夢見ていましたが、活動を続けて行くうちにその夢は更に大きく広がり、次第に「セロテープアート®展の全国展開」へと膨らんで行きました。

左から

2012年 兵庫県立円山川公苑美術館「瀬畑 亮  セロテープアート®展ーNEXT NEW 日常の生み出した美・不屈の美」会場風景

2012年 川越市立美術館「開館10周年・市制施行90周年記念特別展Ⅱ  タッチアート!2  美術に触れるはじめの一歩」会場風景

2012年 川越市立美術館「セロテープアート® 瀬畑 亮 ワークショップ」風景

ワークショップに参加された皆さまの作品

自ら主体的に動いて行く事! アートプロデューサーとしての自覚の芽生え!

 2012年以降は「セロテープアート®展の全国展開」という夢の実現に向けて、単にアーティストとして美術館等から展覧会開催のお話を頂く事を待つだけでなく、自らが「アートプロデューサー」となり、主体的に大規模なセロテープアート®展を自主企画して動き出すようになりました。その最初の一歩が2015年に横浜市民ギャラリーあざみ野で開催した「瀬畑 亮  セロテープアート®展 2015 in あざみ野  〜セロテープ®の“イマ”と“ミライ”〜」でした。

 

 本展は私のとって過去最大規模の展覧会(約600㎡)だったため、その仕事量と自らの肩に背負うプレッシャーと責任の大きさは、単にアーティストとして展覧会準備をしていた時期とは比較にならない程に膨大なものとなりましたが、この経験が結果的に私のアーティストとしての表現力を高め、人間としての「総合力」を高める事にも繋がって行きました。

2015年 横浜市民ギャラリーあざみ野「瀬畑 亮  セロテープアート®展 2015 in あざみ野  〜セロテープ®の“イマ”と“ミライ”〜」会場風景

一個人の表現から「コーポレートアート」へ!

 2015年の「瀬畑 亮  セロテープアート®展 2015 in あざみ野  〜セロテープ®の“イマ”と“ミライ”〜」という展覧会は、それまでの個展(セロテープアート®展)とは開催意図が大きく異なり、スポンサーであるニチバン株式会社の「セロテープ®企画展」を併設した、実質的に初めての形の合同展となりました。

 

 本展では通常の私のアート展に加えて、その素材である「セロテープ®」の歴史や製造工程や社会的役割等までを深く知る事の出来る展示構成を組み立て、過去に無い、とても見ごたえのあるセロテープアート®展とする事が出来ました。その結果、立地的な問題や開催期間が11日間と短い展覧会であったにも関わらず、会期中に数回実施したワークショップも毎回100〜200人程のお客様がご参加下さる大盛況となり、最終的には記録的な数のお客様にご来場頂き、当初の予想を遥かに超える大成功を収める事が出来ました。

 

 この結果は明らかに私のアート活動がそれまでの一個人の活動から「コーポレートアート」へと進化・発展した証であり、更なる“ミライ”へ続く道を切り開き、「セロテープアート®の歴史」に新たな一ページを刻んだ瞬間であったと受け止めています。

2015年 横浜市民ギャラリーあざみ野「セロテープアート®展」ニチバンブース風景

最終目標は「セロテープアート®」を「文化」として残して行く事!!

 このように独自のアート活動を展開して行く中に、一つずつ活動を始めた当初に思い描いていた夢を実現させて来ましたが、私にとってのアーティスト人生の一番大きな最終目標は、ズバリ自らが生み出した「セロテープアート®」という活動を日本独自の「文化」(美術館等)として後世に残して行く事です。これは2008年のセロテープアート®展(練馬区立美術館)が本当に不思議としか言いようのない「運命のシナリオ」によって動き出して実現したように、私にしか出来ない人生を懸けた大仕事であり、命をかけて取り組むべき「天命」であると感じています。

 

何か一つでも運命の歯車がズレていたら、おそらく今の自分のアート活動は存在していないであろうと感じる程に、不思議なご縁と温かい人脈との出会いによって護られ、育まれて来た「セロテープアート®」です。だからこそ私はその意味と歴史を“ミライ”に繋いで行くために、力の限り全力で“イマ”を駆け抜けて行くのです。

左から

・2008年 制作風景(撮影/信原 修)

・2012年 制作風景(撮影/信原 修)

・一巻入魂(いちまきにゅうこん):一巻き一巻きに魂を込めて制作するのです。

大事な事はただ一つ。夢を諦めずに追い続ける事!!

 展覧会やメディア取材の際に、良くこのような質問をされる事があります。

Q:「どうしてそこまで一つの事をやり続けられるのですか? 何がそこまでさせるのですか?」

 

答えは簡単です。6歳の頃に出会った「セロテープ®」ですが、今でも僕はその当時と何も変わらずに

A:「セロテープ®が大好きだから」です。

 

好きな事をただひたすたらやり続けて、夢を諦めずに追い続けて来たからこそ、今の私の人生や「セロテープアート®」という全く新しいアートがこうして存在しているのです。

どんな事でもやり続ければ必ず「才能」として輝いて来る!

どんなに困難な事でも諦めずに乗り越えれば必ず『道』は開いて来る!

この言葉を単なる社会や大人の都合の良い綺麗事とするのでなく、リアルな事実として現代社会に表して行く事により、一人でも多くの子供や若者たちが本当の意味で大きな夢を描いて行ける社会を作って行きたいと思います。それこそが私に夢を描き追求して行く事の大切さを教えてくれて、人生を素晴らしいものに導いてくれた「セロテープ®」へのご恩返しであり、自らがアーティストとして生きる「使命」であると僕は信じて止まないのです。

 

だからこそこの熱い思いを胸に、私は今日も明日も明後日も、ずっとずっと、「一巻入魂」(いちまきにゅうこん)の思いで作品に魂を込め続けて行くのです・・・。

Copyright 1998 Ryo Sehata